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国家検定・印章彫刻技能士一級

印章彫刻技能士とは、国家資格であり、厚生労働大臣が認定する技能検定。印章の技術を示す、唯一の資格です。私は一級の資格を、昨年2009年に取得しました。修業を終えて5年10年の段階でも取得できたとは思いますが、そのころは全く興味を覚えなかったんです。資格がなければ商売の幅が狭まるという性質のものでもありませんし、試験用の勉強に半年から1年の期間はどうしても必要なこともあり「別に持っていなくてもいいかな」ぐらいの感覚で目をつむっていました。ただ、ここ数年、印章の仕事にこれからどう取り組んでいくかを真剣に考えていくうちに、やはりきちんと資格を取得しようと考えたんです。

 

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試験内容は20文字ぐらいある会社の役職印をつくることです。2週間前に、この中から試験日につくるものが出題されるという課題リストを渡され、その日に備え、全ての篆書体を頭の中に叩きこむんです。当日、その内の一つが出題される。文字がきちんと彫られているか?、文字の成り立ちを理解しているか?、などを評価され、合否が決まります。もちろん、線が一本多いなどミスがあれば、評価以前に不合格になりますし、時間も限られていますからやり直しもできない。自信はありましたが、取得を認められた時、やはり安堵はしましたね。

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印章彫刻技能士一級の資格を持つことで、機械化が浸透する状況の中、しっかり技術を持ち、思いを胸に秘め、この仕事に取り組んでいるということの証明になりますよね。印章の詳しいことを知らない若いお客様にもそれは伝わるだろうし、安心感や説得力にも繋がるんじゃないかと。「資格を持っているちゃんとしたハンコ屋さんだから、ここでお願いしよう」という間口、きっかけにもなるんじゃないかと思っています。

余談になるかもしれませんが、実は、この印章技能士の資格が、今、存亡の危機にあるんです。印章彫刻を学ぶ若い人が激減したことで、当然、資格に挑戦する人も少なくなりました。ですから、ニュースなどでご存知の方も多いと思いますが、厚生労働省所管の特殊法人が運営する技能士検定も予算削減の仕分け対象として「年間で200人以上が受けないならば、技能検定試験を休止しますよ」と無理難題を押し付けられている状態。もちろん、文化として必要なものだとの想いが強いですから「受ける人数ではなく、後世に残す価値のある文化である」という反対の立場で、継続するための運動に私も参加しています。

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