社長である滑川の姉として、10年前に「経理の手が足りないから」と携わることになったんですが、現在は、経理だけではなく店頭接客やインターネットで受注した商品の発送業務を行なっています。家業を手伝うようになった最初のころは、接客の面でお客様に説明することが大変でしたね。私は小さいころから父や母の働く姿を通し、印鑑について自然に慣れ親しみましたが、一般の方からしたらわからないことが多いですよね。それこそ、購入にあたり何を訊けばいいかもわからないのが普通。ですから、お客様の話をしっかり聞き、本当に求めている適切な商品を見極め、しっかり説明するようにしています。例えば、お客様ご本人が使うためなのか、それともお子さんやお孫さんに贈るためのものなのかでも、お勧めする商品はおのずと変わってきますよね。スタンプナメカワの方針は「店側が売りたいものを売るのではなく、お客様が本当に必要とする印鑑を提案・提供していくこと」だからです。
お店が忙しい日ですね(笑)。お客様がたくさん来てくれて、お問い合わせやご注文の電話も多く鳴っている。ネット注文の発送も「今日はいっぱい送ったね」とみんなで話せるような状況が本当に嬉しいです。また、ネット注文の発送後、お客様から「早い対応でキレイな品質、梱包も丁寧でした」など、喜びの声を頂戴した時も嬉しい気持ちになります。店頭接客では、以前、お孫さんへの贈り物としてご利用くださったお客様が「次の孫が生まれたから、またつくってもらいに来たよ」と訪ねてくださったことが印象に残っています。ご満足いただいたからこそ、繰り返しご利用いただけているわけですから、これは私たちにとって最大限の評価ですよね。
親に似て頑固な一面もありながら(笑)、いろいろな工夫をして新しいことにチャレンジする姿勢を持つ人間。小さいころはやんちゃ坊主で、年上の子にくっついて負けずに遊んでいるタイプでした。手先は昔から器用でしたし、何かをつくることに強い興味を持っていたように思いますね。祖父、父から家業を継いだ3代目として、外の世界にいろいろ発信しようとしているのは、私たちにもわかるんです。会社の代表ですから、肝心なことを自分一人で決断しなければならない厳しい立場ですが、そういうプレッシャーは表に出すことなく、スタッフみんなに優しい、頼りがいのある社長だと感じます。これからも、お客様をただ待つスタンスではなく、より良く変えていこうという攻めの姿勢で頑張る弟をサポートしていきたいですね。
父も母もとにかく働き者でした。家と仕事場が同じ場所でしたから、ずっと家族が一緒にいる環境。両親共に忙しいので、どこかに遊びに行くようなことはほとんどなかったけれど、常にみんなが寄り添うように生活している感じでした。父は本当にいつも忙しく働いていて、晩ご飯を食べた後も深夜まで作業しているのが、滑川家の当たり前の風景。口数が少なく厳しい父ではありましたが、私たち娘二人には甘かったようにも思いますね。一方、母はとても話し好きで、周囲の人が自然と集まってくるタイプ。現在のスタンプナメカワがアットホームな優しい雰囲気なのは、そんな母の影響がとても強いんです。娘である私自身、母が大事にしていた柔らかい雰囲気を引き継ぎ、活気のある店づくりを続けていきたいと心から思っています。