スタンプナメカワ経営理念
私たちは想(こころ)を大切にし、ぬくもりの伝わる『はんこ』を通して、みんなの笑顔を創造します。
今まで自分が生きてきて、大きなターニングポイントになったことが、経営理念には反映されています。私が青年会議所に入り、2泊3日のセミナーへ参加した時のこと。当時の私は「人にどう見られているのか?」や「この仕事(印章店)は格好悪い」だとか、上っ面の部分だけを気にしていたんです。そのくせ、親のスネをかじっているような宙ぶらりんの状態。そんな私に対して、指導してくれた方が「今、背負っているものを全部脱ぎ捨てて、本当にやりたいことに向かっていけば、周囲の人は滑川さんを認めてくれるよ。ありのままの自分を見せれば、みんなも素直に受け入れてくれるから」と言ってくれた。その瞬間、それまでずっと張りつめていたものが、すうっと消えてなくなっていったんですよね。その後の方向性の大きな道しるべになった出来事でした。
結婚したのも、父親から家業を引き継いだのも、その頃。我が子が誕生し、名前をつけるのには散々迷い、悩みました。最終的に浮かんだ言葉が「こころ」と読ませる「想」という文字。この文字は「木」を「目」で見て感じる「心」が合わさって「想」。「思う」が自分の気持ちを表すのに対し、「想う」は違うものを見て相手を思いやる気持ちを表します。そういう意味合いを込めて、我が子に託す名前に選びました。「想」という文字は、私自身にとって大切にしている価値観そのものだと認識したんですよね。その部分を追求するのが、私の仕事の仕方だ、とも感じました。印章店の3代目として引き継ぎ、紡いできた想いを、私なりにこれからどう形にしていくべきか。ハンコを彫る時に相手を想う、スタッフの幸せを想う、ハンコの大切さを想う。全てをひっくるめた「想」を大切にして、気持ちが伝わるものをつくっていこうと、決意を新たにしました。
経営理念の文中、『はんこ』とひらがな表記にしたのには理由があります。彫刻の印鑑だけでなく、印刷物やゴム印にしろ、彫って自らを証明するものには、すべて『はんこ』の原理が宿っていると思うので、広い意味で解釈しようとしたニュアンスを込めたつもりです。全ての『はんこ』を通して、スタンプナメカワは社会貢献をしていきたい。同時に、人々を笑顔にしたいという考え方です。印章や印鑑と掲げた場合、どうしても堅いイメージに受けますよね。確かに全財産や生命を守るものでありながら、それだけではないことも私たちは伝えたかった。小さな子供がキャラクターをスタンプできるオモチャのはんこで無邪気に遊ぶ風景。そういう楽しさも『はんこ』には詰まっています。そんな原点も伝えたかった。『はんこ』とは便利な道具であると同時に、楽しさも詰まった究極の幸せアイテム。その想いを胸に仕事へ取り組んでいこうとすることが、スタンプナメカワの経営理念です。